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そこはかとなく

そこはかとなく

 

そいつに対してそこはかとなく湧き上がる恐怖心は、

如何ともし難く、

唯唯、おれはそいつに平伏するのみなのだ。

それでゐておれは、面従腹背を地で行くやうに

そいつが一瞬でも隙あらば、

そいつの首をかっ斬る覚悟で、

ぎろりと目玉だけを動かし、

そいつの一挙手一投足に目をやりながら、

それでゐておれは、

おれの内部で蠕動するものがおれを嗤ってゐる

そのおれの鬼子にも手を焼いてゐるのだ。

どうしてもおれはおれとして

統一出来ないおれは、

それでは何を以てして

おれはおれと言ってゐるのかと

自嘲するのであるが、

そもそもおれと言ふ存在は、

これまで一度たりとも統一したことはなく、

唯、おれと言ふ体躯が

その分裂してゐるおれを

何とか統一したかのやうに錯覚させる媚薬として作用し、

まんまとそれに騙されたおれは、

そのまやかしのおれに誤魔化され、

おれの体躯がおれの統一の象徴としてあることが

ちょっ、結局のところ、おれはおれを形作ってゐる約六十兆個の細胞一つ一つに分裂してゐて、

それをおれの体躯が統覚してゐると錯覚してゐるのだが、

と言ふのも脳と言ふ代物におれの体躯が従属してゐると言ふまやかしに誤魔化された振りをして

おれは、しかし、金太郎飴の如く紋切り型に現はれるおれのやうに

将又、何処をどう斬ってもおれの顔をした、

若しくは、おれの体躯のFractal(フラクタル)な縮小版として

その憎ったらしい顔を、または、体躯を此の世に晒すに違ひないのだ。

 

そこはかとなく湧き上がる

このどうしやうもない悪感情は、

そいつの首をかっ斬ると同時に

おれの首をもかっ斬ることで、

安穏とした日常を取り戻し、

人生の終幕を図りたいことを

本当のところおれは欣求してゐるのだらうか。

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