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それ、苦しめ

...

それ、苦しめ

 

――それ、苦しめ。お前のゐる場所は此処ではない。

...

さう言って「そいつ」は、

――ふはっはっはっ。

と哄笑したのだ。

 

何かが《吾》の背に宿ってゐて、《吾》の視界の境界辺りでちらちらと姿を現はしては「にまり」と醜悪な笑みをその相貌に浮かべるのだ。

さうして、「そいつ」は《吾》を鞭打つのだ。

 

――何を持ってお前は《吾》を鞭打つのだ?

――そんな事はお前は既に知ってゐるではないか? さうだ。お前が此の世に《存在》してしまってゐることが既に「罪」なのだ。

――《存在》が「罪」? 「原罪」と《存在》は先験的に背負ってゐる?

――否! お前のみの《存在》のみが「罪」なのだ!

――私のみ?

――否! お前が名指す《吾》さ。

 

さうして、「そいつ」は再び《五蘊場》の闇に消ゆる……。

 

 

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