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ひたひた、ひたひたと

ひたひた、ひたひたと

 

ひたひた、ひたひたと近付くものがゐる。

それは恐怖と言ふよりも

何かわくわくさせるものであった。

ひたひた、ひたひたと近付くものは、

此の世のものではなく、

彼の世のものに違ひないと思ふと

おれは嬉しくて仕方がないのだ。

何故かと言ふと、幽霊程わくわくさせる非在の存在、

それは非在の特異点にある類ひ希なる存在で、

特異点の居心地を拝聴するに

またとない機会であるからおれは嬉しくて仕方がないのだ。

非在の特異点は、

さて、存在へと相転移するのか、

相転移するのであれば、

それは存在に値するものなのか、

とはいへ、幽霊と言ふ此の世のものではない

彼の世のものとしてしか此の世に出現出来ぬその根拠は、

やはり、時間に関係してゐるのか。

斯様に訊きたいことが山程あるのであるから、

わくわくせざるを得ぬではないか。

ひたひた、ひたひたと近付くものがゐる。

それが仮に幽霊だとして

恐れる必要は全くなく、

どんな土産話を持ってくるのか楽しみでしやうがない。

非在の特異点は果たして存在の特異点でもあるのか。

もし、この類推が当たってゐるならば、

此の世に幽霊が存在しなければ

此の世は特異点に吸ひ込まれて

消滅する定めではないのか。

ならば幽霊が此の世を支へてゐて

つまり、現実はアトラスの如くに屹立する幽霊の頭で支へられてゐて、

特異点への現実の落下を食ひ止めてゐるのではないのか。

さあ、ひたひた、ひたひたと近付くものよ、

此の世に存在するであらう特異点を支へてゐるのが幽霊であると、

胸を張っておれに言ってくれないか。

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