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呆然と

呆然と

 

呆然と見送るしかないのでせうか。

あなたは労咳のやうなドスンと腹の底に響くやうな咳をし、

日日衰え行くその命の灯火は、

正しく風前の灯火。

消えゆく準備をするやうにして

既にお別れの挨拶をして回るあなたは、

自身の命が長くないと観念してゐるのでせうか、

不思議と平穏な表情をし、

私にkissをするのです。

それがあなたに出来得る最大のことであり、

石膏のやうな時空の中を藻掻きつつも、

あなたはDeath(デス) mask(マスク)を時空に既に残し、

そのあなた自身の姿は二重、三重に揺れるのです。

それが死相といふものなのでせうか。

時空をConcrete(コンクリート)のやうに固めることで、

漸く此の世に縋り付くのです。

それでいいのでせう。

あなたは腐乱した死体のやうな臭ひがする息を吐きながらも

飛びっ切りの笑顔を見せては、

私を愛撫するのです。

その愛しさの一つ一つを私は記憶に刻印し、

あなたの此の世の存在した証を今、抱き締めるのです。

どす黒い咳がありまして、

幾月かの残りの生が散りゆくのです。

さうして残されしものは、

あなたを脳と言ふ構造をした頭蓋内の闇たる五蘊場に棲まはし、

永久(とは)の一条たるその一端を見出すのです。

どす黒い咳がありまして

哀しみは日日深くなり、

間もなく死に行くものがゐるのです。

さうして時空は凍り付き、

闇ばかりが濃くなるのです。

さうして月日は無情にも流れゆき、

あなたは最期を迎へるのです。

 

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