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哀歌 二

哀歌 二

 

黄昏時の哀しみ躓いてしまった。

何てことか。

まるで一生ぼんやりと

眼前の形が形としての映像を結ばない曖昧模糊とした世界を

漫然と眺めてゐる阿呆と何処が違ふといふのか。

或ひは俺は盲人か。

何にも最早見えないではないか。

 

嘗て汚れちまった哀しみを歌った詩人も、

こんな哀しい黄昏時を味はった事はないかも知れぬ。

 

俺にとっては至極当たり前の事なのだが、

何時も哀しみに蔽はれし心身は、

既に自己とふ名の殻に閉ぢ籠もったといふのか。

 

漫然とした哀しみほど残酷なものはないのだ。

何故って、最早その哀しみは霊の如く憑依して

俺を俺以外の何かへと誘ふ端緒としてしか俺の存在を認めぬのだ。

 

この哀しみを知るものは

既に此の世を去ってしまったものばかりに違ひない。

この哀しみの中で生き残るなんて馬鹿しかできぬ神業なのさ。

 

ぢっとしてゐると、どうしやうもない哀しみが

心に滲み出てきて、あっといふ間に心全体を蔽ふのだ。

 

何て重たい心だらう。

哀しみにうちしがれし心は、

私に空いた穴凹然として

巨大Black holeの如く哀しみのどん底へとまっしぐらに

俺を誘ふのだ。

 

この重い心が既に俺には持ち切れず、

落下するに任せてゐると、

哀しみのFractalな形状がやがて見え出し、

底無しの俺に空いた穴凹に俺は落下する中でも、

何の事はない、俺は俺を楽しさうに抱いてゐるのだ。

俺が俺を手放すなんて現時点ではあり得ぬのだ。

どんなに世界が哀しくとも。

 

へっへっ、と不意に嗤った俺は、

哀しみが最高潮へと向かい、

絶望を呼ぶ黄昏時に

既に俺をしゃぶってみては

俺を喰らひ始めて、

さうして俺を磨り減らしては、

重すぎる俺の心を少しでも軽くする努力をするのだが、

そんな事は無駄な足掻きに過ぎず

既に重すぎた俺の心は

俺の心の閾値を超えて、

俺から飛び出てしまってゐるのだ。

 

何処を彷徨ふ俺の重き心よ。

今すぐ俺に戻ってこい。

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