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嗤ふ死神

そいつは不意に現はれて生を根こそぎ攫ってゆく。

その現実を前にして現存在は為す術もなく

ただ、死神の思うがのままに、

不意に生を断念させられし。

 

恨めしき死者たちは此の世を彷徨ひ、

生から幽体離脱した死の状況を呑み込めぬままに

この激変した現実を全的に受け入れる苦痛を味はひ尽くすのだ。

さうして、死者は初めて、己が死んだことを認識し、

己が肉体とさようならをするのだ。

 

この後、ブレイクの銅版画絵のやうに死者は肉体から離れ、

吾が死を悲しみをもって眺めるのか。

 

それはしかし、残酷極まりないことでしかなく、

生き残ってしまったものにとっては

いつまでも宙ぶらりんの現実のままま

現実は止揚されるのだ。

 

死神の何しれぬ顔で大鉈を揮い、

生を根こそぎ奪っていくその刈り取りの様は、

全く慣れたもので感嘆の声を挙げるしかないのだ。

 

「ふっ」、逃げ惑う人間に対して容赦なく生の灯を吹き消すべく、

死神は大鉈を揮うたびに大風を巻き起こす。

 

「あっは」とまるで濁流の流れに呑み込まれたやうに

吾はやっとの思ひで息継ぎをし、

後は大水に流されるまま、

その間ぢっと生の尊さを噛み締めなければならぬのだが、

それに堪えれぬ現存在たる吾はすでに生を断念するしかないのか。

 

 

 

秋の日に 生死が揺れた 濁流の引力

 

吾にある 闇深き陥穽に 陥れば 安堵するかな 吾のみぞ生く

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