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猫のやうな空

猫のやうな空

 

猫のやうな空に歩を進める魚は、

やがて来る嵐を綿飴のやうに食らふのだらう。

そして、漁師は空を泳ぐ魚を捕らへて剔抉し、

腸を取って

月光で焼き切る。

 

ほんわかと首を絞める猫のやうな空は、

身軽に人間の影に張り付き、

その鋭き牙で存在を噛み切る。

さうして空から降ってきた人間は

夢の中で、溺れ死ぬ。

 

機械の轟音が響く静かな夜に、

首を吊った奇妙な果実は

ビリー・ホリデイのレコードをかけて

黒光りし、

絶望の慟哭を月に向かって上げたのだ。

 

陰の月には兎が棲むと言ふが、

希望が屈折した月光は

絶望がよく映え、

希望を袋小路へと追ひ込むのだ。

 

直線が曲線な直接的な世界は

猫のやうな空を怒らせて、

毛を逆立てた空に呑み込まれる。

 

何もかもが憂愁の中に身を投じ、

亡霊が猫のやうな空の下、無数に彷徨ひ歩く。

生と死が入れ替わる此の世にて、

外部に飛び出た魂達は、

彷徨ひ歩く亡霊どもの餌として

死を全うするのだ。

 

生は空を歩きながら、

そこら中が穴凹だらけの空に

いちいち歓喜する。

 

絶望が一際輝くその空で、

猫の目が暗闇で妖しく光るやうに

星星が黒く輝く。

 

何がさうさせたのか、

月食のやうに黒光りする太陽は、

今はまだ輝くことを知らず、

腐敗Gasを発するのみ。

 

死が蔽ふ此の世界で

月光のみがくすんだ光を此の世に届け、

空の魚はきらりとその鱗を輝かせ、

星を喰らっては群れるのだ。

 

逆立ちする事で、生は死からずっと逃げてゐたが、

何時しか、生のゐる場所はなくなってゐた。

それは、そして、余りにも自明の事であった。

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