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思索、詩、アフォリズム

廻向

廻向

此の世の浮かばれぬ死者共に囲まれながら性交してゐると、
何処かから読経の声が聞こえてきて、
さうして汗とErotic(エロティック)な匂ひに塗れた性交は一気に抹香臭くなり、
とはいへ、おれは一気呵成に腰を動かして射精する。
女は子宮を痙攣させながら此の世ならぬ快楽の世界にどっぷりと浸かり、
生へと繋がるその端緒で
じわりと子宮に広がり行く精子の感触に身を委ねるながら、
今は動くのも気怠さうな昇天したが如きに快楽に惑溺しながら、
女は受精して子が出来るのを待ち望む。
更に読経の声は大きくなり、
性交時に立ち現はれてゐた死者共は
おれの射精と共に成仏したのか、
「えへら」と笑ひながら
皆姿を消した。
それは多分、死者共がおれの数多の精子に取り憑いて、
顔が今も上気したままの女の子宮へともんどり打って雪崩れ込んだに違ひない。
さうして生は繋がり、
死者は浮かばれるのか。
――南無阿弥陀仏。
阿弥陀如来立像が俺の眼前に忽然と立ち現はれ、
今生では決しても見ることはあり得ぬ笑みを阿弥陀如来は浮かべながら
おれの頭に手を置いたのだ。
――ねえ。
と、女は漸く正気に戻り、おれに接吻を強請(ねだ)る。
おれは女が望むままに女の口におれの口を重ねて、
舌を絡めながら、
此の世にあるのかどうかも解らぬ「愛」を貪り合ふ。
さて、これが廻向といふものなのか。

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予知夢

予知夢

 

瓦礫の山の上で、

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鋭い犬歯で剔抉された中指上部の傷から
どくどくと血が溢れ出すのを目の当たりにしたおれは、
それが将にこのおれに相応しい傷として
目に焼き付けるほどに凝視す。

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理不尽

理不尽

 

問答無用に、また、何の悪びれる様子もなく、

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独断的なる五蘊場試論 その三

 独断的なる五蘊場試論 その三

命題:外部の出来事はいづれ内部の五蘊場内の出来事に収斂し、さうして吾は自己の限界を自覚する。

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