重さ そのお前の死体の重さに 俺はお前の無念やら悔しさやらの念の重さをひしひしと感じたのだ。 お前は死の直前まで東を向きながら、 最早眠っては死すると言ふことをはっきりと知りつつ、 よろめきながらもしっかりと前脚で踏 […]
月別: 2017年9月
逆立ち
逆立ち ヘーゲルではないが、 生の世界が存在するならば、 その逆立ちした超感覚的世界、 つまり、死の世界が生の世界に同居してゐなくちゃならない事を 嫌と言ふほどに知る今日この頃なのである。 お前がもうすぐ死の床に就く […]
呆然と
呆然と 呆然と見送るしかないのでせうか。 あなたは労咳のやうなドスンと腹の底に響くやうな咳をし、 日日衰え行くその命の灯火は、 正しく風前の灯火。 消えゆく準備をするやうにして 既にお別れの挨拶をして回るあなたは、 […]
煙草
煙草 矛盾してゐるのは重重承知してゐるが、 矛盾なくして真理無しと言ふ思ひがあるおれとって おれが生きるのに必須なのが煙草なのである。 煙草の煙を胸一杯に深深と吸ひ込み すると脳天が覚醒するかの如く脳といふ構造をした […]