異物を吐き出すやうに

思索に耽る苦行の軌跡

異物を吐き出すやうに

2017年3月26日 思索、詩、アフォリズム 1

異物を吐き出すやうに

 

そいつは異物を吐き出すかのやうに

おれをあしらった。

その手捌きは慣れたもので、

おれは路傍の石と同等に

恰もなき如くに、

否、あるにもかかはらず見出さうとしなければ、

決して見出されることがない運命の存在として

見事におれを扱ったのだ。

それは普遍的なる平等をしたまでに過ぎぬのであるが、

その扱ひに対して癪に障ったおれは、

平等主義者に成り得ぬおれの心の狭隘さに嘲弄の目を内部に向けつつも、

恰も異物としておれを扱ったそいつの遣り口の平等に纏ひ付く欺瞞に対して

憤懣やるかたなしといった思ひのままに、

「ぺっ」と唾棄してそいつと袂を分かったのだ。

 

それがお互ひの為であり、

不快な干渉を起こすことなく、

お互ひがこの世知辛い世の中を生き延びるには必須のことであり、

もうお互ひが葛藤する事なく存在するにはそれ相当の事なのであったのだ。

これからは、おれはそいつに邪魔されることなく存在出来る歓びにしみじみと耽りながら、

冷たい雨が降る中を傘も差さずにびしょ濡れになりながら、

とぼとぼと歩くことの楽しさの中に夢中なのであった。

(Visited 8 times, 1 visits today)

 

1件の返信

  1. こず恵 より:

    最近に限ったことではありませんが、何を読んでも、面白いと感じられなくて、つまらなく、関心を持てないことが多いです。
    これは人間にとって虚しく哀しいことです。
    でも積さんの言葉は、難しいところがあっても”どうしても知りたい”という気持ちにさせるものがあって、面白く、大いに関心を持てるものであります。
    そんな人に出会えるだけで生きることがなんと楽しいことでしょう。
    わたしも誰かのそんな存在になれたらなと想って創作を死ぬ迄つづけていきたいです。

    これからもほんとうに楽しみに積さんの作品を読める日を待っています。
    凍える雨の中、御身体を御大事にしてください。
    わたしは雪の中を、一年中歩いていきたいです。それでもあたたかい春の夢を見るのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

WP Twitter Auto Publish Powered By : XYZScripts.com
PVアクセスランキング にほんブログ村 Google Analytics Alternative 黙考のしじま