太棹の三味線、鳴り響く

 

べべんべんべんべん

べべんべんべんべん

 

長い時間がありまして、

何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。

それでも太棹の三味線が腹を震はすやうに鳴り響き、

太夫が義太夫を独特の見事な節回しで歌ひ出すと、

セピア色に褪色してゐた景色がみるみる色を取り戻し、

時間が発色眩しく動き出しては生き生きとするのでした。

 

べべんべんべんべん

べべんべんべんべん

 

長い時間がありまして

其処には人人の地に足を付けた日常があったのです。

それを語るには太棹の三味線の音色でなければ、

格好が付かないのです。

 

べべんべんべんべん

べべんべんべんべん

 

長い時間がありまして、

何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。

太棹の三味線の音色は

人人の心の琴線に触れ

百年以上もの間、鳴り続けてゐたのでありました。

太棹の三味線が一度鳴り響くと、

誰もがその音世界に没入せざるを得ぬ魔力があるのです。

 

べべんべんべんべん

べべんべんべんべん

 

長い時間がありまして、

太棹の三味線は相も変はらず今日も詩情たっぷりに鳴り響くのでした。

 

べべんべんべんべん

べべんべんべんべん

 

長い時間がありまして、

何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。