作者別: 積 緋露雪

思索に耽る苦行の軌跡

誰でもよかった

誰でもよかった   ――誰でもよかった。 また、自殺願望者が無差別殺戮を理不尽にも断行した。己の手で自死出来ぬその未練たらたらな生への執着が無差別殺戮の凶行へと駆り立てたのであるが、そのやうに彼を駆り立てた本当の正体は、…
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2018年6月10日 0

それでも壁を叩く

それでも壁を叩く   眼前に立ち塞がる巨大な巨大な壁を前にして おれはそれが無駄な足掻きに過ぎぬと知りながら、 どうあっても素手で叩いてぶち破る妄想のみ抱き 狂気の人と化して蜿蜒と叩き続ける。 壁といふものは誰にも存在す…
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2018年6月4日 0

水底で揺るてゐるやうな

水底で揺るてゐるやうな   ぐにゃりと奇妙に歪んだ太陽を仰向けで眺めながら、 その柔らかい陽射しに揺らめく炎を眺めてゐるやうな 何となく慈しみに満ちた雰囲気に抱かれたおれは、 溺死した死体に過ぎぬ。 然し乍ら、閉ぢられる…
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2018年5月28日 0

「自分らしく」に潜む欺瞞性

「自分らしく」に潜む欺瞞性   「個性、個性」と叫ばれて喧しいが、 個性なんぞが人間にある筈がない。 人間が、例へば犬になるのであれば、それは個性であるが、 しかし、人間が人間である以上、其処に個性なんぞある筈はない。 …
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2018年5月26日 0

生きる

生きる   仮令、天使を鏖(みなごろし)にしても それが生きる正しい道ならば 迷はずそれを実行し、 何としても生きるのだ。 手を穢すことを厭はず 何食はぬ顔をして 平然と天使を鏖にし、 ホモ・サピエンスならばホモ・サピエ…
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2018年5月21日 0

霞を喰ってでも

霞を喰ってでも   到頭、金が底を尽き、 後、一月の間、飲まず食はずの生活を強ひられるが、 それでもおれは楽観的だ。 所詮、生活のことなど取るに足りぬ問題でしかなく、 そんな窮乏の状態にあってもおれは、 尚も問はざるを得…
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2018年5月20日 0

ものの有様 五

ものの有様 五   そこで世界を情報化することは、果たして可能なのかといふ疑問が湧いてくるのである。現に情報化されてゐるのだがら可能と肯ふべき筈なのだが、しかし、重要なのは情報化出来ずに世界内に存在する《もの》…
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2018年5月12日 0

理不尽

理不尽   此の世の開闢にあたって 其処には此の世の誕生するはっきりとした意思があった筈で、 私は初めに念ありきと夢想してゐるのです。 それは此の世の森羅万象に当て嵌まり、 あらゆるものに念は宿ってゐるのです。 さうでな…
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2018年5月7日 0

罠を仕掛けてみたが

罠を仕掛けてみたが   ぐにゃりとひん曲がった壁に そいつはにたりと嗤っては さもおれに対して、 ――気狂ひ! と言ひたげな顔をして現はれては 常日頃おれに対して感じてゐる鬱憤を晴らしたいのだらう。 おれは執拗にそいつを…
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2018年5月4日 0

主従逆転

主従逆転   これまで徹底して人類の奴隷でしかなかった《もの》が、 遂に人工知能を手にすることで、 人類を凌駕し、人類を奴隷とする日がやって来るかも知れぬといふ淡い期待に胸膨らませ、 おれは、《もの》に対する贖…
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2018年5月2日 1
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