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風邪を引いて微熱がある中、虚ろな目はぼんやりと外界を眺め、
さうして、内界でゆったり浮遊する《吾》に憩ふ。


この安寧は風邪を引いた時のプレゼントで、
この虚ろな時間が大好きなのだ。


しかし、その中で逆立ちを試みる天邪鬼な《吾》がゐるもので、
微熱が出てぼんやりとした頭蓋内で、只管に《吾》を検閲する
張り切り《もの》のその《吾》は、微熱でぼんやりしてゐる《吾》の間隙を衝く。


そこで、驚いてももう手遅れで、吾は一槍でその《吾》のヤヌスの槍で一突きされて、
串刺しの魚さながらに内界で燃え盛る炎で焼かれて、
後は塩を振って《吾》に喰はれるのた。


それが、もしかすると《吾》の本望なのかもしれない。
何《もの》かに喰はれることで《吾》は《吾》の《存在》を唯一正当化できるのかもしれないのだ。


最早、そんな事でしか《吾》は此の世でまったく正当化できない《存在》に成り下がってしまったのだ。


じりじりと焼かれる《吾》が発する呻き声に《吾》をヤヌスの槍で一突きした《吾》は、
サディスティックな欲情に満足を覚え、また一人、かの者の後継者の《存在》を殺戮したのだ。


これが歓びでなくて何とする!


そんなとりとめもないことが走馬灯のやうに頭蓋に内を駆け巡りつつも、尚もぼんやりとした《吾》は、虚ろな目で外界を見つめてゐるのであった。


《世界》はそんな《吾》にとっては無慈悲に嗤ってゐる。それが《世界》がこれまで存続してきた秘密なのだ。

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