黙考のしじま

思索に耽る苦行の軌跡

頭を擡げし《もの》

頭を擡げし《もの》   徐に頭蓋内の闇たる《五蘊場》で頭を擡げた「そいつ」は 蟷螂のやうに鎌で獲物を摑まえる如く、 また、カメレオンが舌を伸ばして獲物を捕へえる如くに、 《吾》が《吾》たる根拠を食ひ潰し始めたのだ。 &n…
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2016年6月11日 0

かの者

かの者   かの者は今も尚、十字架に磔にされて、人間の為の晒し者となってゐる。 何故、基督者はかの者を十字架から下ろさうとしないのか。 かの者は彫像に為っても尚、十字架から下ろされぬ不合理を 基督者はそれが恰も当然の如く…
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2016年6月11日 0

∞次元の時間

∞次元の時間   誰が時間を数直線の如き一次元と決めたのか。 そもそもの間違ひが其処に《存在》する。   時間もまた、《存在》するならば、それはどうあっても∞を目指してゐるに違ひない。   …
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2016年6月10日 0

疲弊

疲弊   やがて夜の帳が落ちる頃、漸く目覚めつつも、未だに疲弊していた此の心身には睡眠不足は否めず、何かを貪り食って再び眠りに落ちたのだが、夢魔が夢世界を攪乱し、この意識なる不可思議な存在を《吾》と名指す以前に、夢魔は「…
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2016年6月10日 0

紫煙に見(まみ)える

紫煙に見(まみ)える   ゆっくりと煙草の紫煙を深呼吸するやうに吸うと やっと人心地がつく此の悪癖に、 「煙草は体に毒」だからと言って 無理強ひに止めさせようとする輩に出合ふが そんな輩のいふ事など聞くに値しない。 何故…
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2016年6月10日 0

哀歌

哀歌   チェンバロの哀しげな旋律に誘はれるやうに むくりとその頭を擡げた哀しみは 胸奥に折り畳まれてある心襞に纏はり付きつつ、 首のみをぐっと伸ばして《吾》に襲ひ掛かるのだ。   ――何を見てゐる? &nbs…
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2016年6月10日 0

無限を喰らふが

無限を喰らふが   此の渺茫たる虚無は何処からやって来たと言ふのか。 確かに無限を喰らった筈なのだが、 どうしやうもない虚無を埋めるには 無限を喰らったくらゐでは 埋めようもないのだ。   ならば、何を喰らへば…
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2016年6月10日 0

たまゆらの永劫

たまゆらの永劫   不意に襲はれた眩暈に 「私」は永劫を見たのだ。   時間は吃驚して逆転し、過去が未来に、未来が過去へと転回し、 「私」の頭蓋内の闇たる《五蘊場》には 《吾》が漸く《吾》にしがみ付く意識と無意…
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2016年6月10日 0

《世界》を握り潰す

《世界》を握り潰す   彼はまんじりともせずに只管、眼前の闇を凝視す。 ――何故か、《吾》が憤怒にあるのは!   さう自問せし彼は闇の《世界》を無性に握り潰したくて仕方がなかった。   ――《世界》?…
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2016年6月8日 0

犇めく《もの》

犇めく《もの》   《吾》の内奥で犇めく《もの》どもは 一斉に美麗な声でマーラーの「大地の歌」のやうな歌を歌い出した。   それは余りに美しく、そして、余りにも哀しい歌詞で、   かう《吾》の内奥に響…
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2016年6月8日 0
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