黙考のしじま

思索に耽る苦行の軌跡

ものの有様 五

ものの有様 五   そこで世界を情報化することは、果たして可能なのかといふ疑問が湧いてくるのである。現に情報化されてゐるのだがら可能と肯ふべき筈なのだが、しかし、重要なのは情報化出来ずに世界内に存在する《もの》…
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2018年5月12日 0

理不尽

理不尽   此の世の開闢にあたって 其処には此の世の誕生するはっきりとした意思があった筈で、 私は初めに念ありきと夢想してゐるのです。 それは此の世の森羅万象に当て嵌まり、 あらゆるものに念は宿ってゐるのです。 さうでな…
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2018年5月7日 0

罠を仕掛けてみたが

罠を仕掛けてみたが   ぐにゃりとひん曲がった壁に そいつはにたりと嗤っては さもおれに対して、 ――気狂ひ! と言ひたげな顔をして現はれては 常日頃おれに対して感じてゐる鬱憤を晴らしたいのだらう。 おれは執拗にそいつを…
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2018年5月4日 0

主従逆転

主従逆転   これまで徹底して人類の奴隷でしかなかった《もの》が、 遂に人工知能を手にすることで、 人類を凌駕し、人類を奴隷とする日がやって来るかも知れぬといふ淡い期待に胸膨らませ、 おれは、《もの》に対する贖…
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2018年5月2日 1

媚びるもの

媚びるもの   重重しき犬の骸を泣きながら抱き抱へたときのやうに そいつはおれの心の間隙を縫ふことを得意としてゐて、 何とも厄介な代物に違ひないが、 そいつの媚び方が大嫌ひなおれは、 そいつの気配を感じた刹那、 有無も言…
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2018年5月2日 0

流麗なる悲哀

流麗なる悲哀   流れるやうに何の澱みもなく 華麗にピアノを弾くビル・エヴァンスの演奏は 流麗なるが故にその悲哀は底知れぬのだ。 深き闇をぢっと凝視してしまったのか、 その華麗にして優美なその演奏は 立ち止まる事を恐れる…
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2018年5月2日 1

去来現(こらいげん)

去来現(こらいげん)   過去、未来、現在を意味する去来現といふ言葉が好きだ。 これは仏教用語ではあるが、 単刀直入に去来現と言ひ切るその潔さに感服したのかも知れぬ。 おれの時間に対する考へ方は至極単純で、 現存在のみ現…
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2018年5月2日 0

ぼんやりと頭痛を抱へて

ぼんやりと頭痛を抱へて   ぼんやりと頭痛を抱へて その痺れるやうな痛みに酔ひ痴れて、 極極私的な春の宴を催すのです。 そんな春の宴には頭痛が最も相応しいと思ふのですが、 それと言ふのも春そのものが頭痛の種でしかなく、 …
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2018年5月2日 0

恐怖の春が巡る

恐怖の春が巡る   草木が一斉に芽吹き出す驚異の季節たる春がまた巡ってくる。 かう生命の力強さをこれ見よがしに見せつけられる春がおれは嫌ひだ。 冬の寒さに、唯、忍の字で辛うじて生を繋ぐ冬にこそ生の醍醐味があり、 その生が…
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2018年5月2日 0

太棹の三味線、鳴り響く

太棹の三味線、鳴り響く   べべんべんべんべん べべんべんべんべん   長い時間がありまして、 何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。 それでも太棹の三味線が腹を震はすやうに鳴り響き、 太…
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2018年5月2日 0
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