黙考のしじま

思索に耽る苦行の軌跡

媚びるもの

媚びるもの   重重しき犬の骸を泣きながら抱き抱へたときのやうに そいつはおれの心の間隙を縫ふことを得意としてゐて、 何とも厄介な代物に違ひないが、 そいつの媚び方が大嫌ひなおれは、 そいつの気配を感じた刹那、 有無も言…
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2018年5月2日 0

流麗なる悲哀

流麗なる悲哀   流れるやうに何の澱みもなく 華麗にピアノを弾くビル・エヴァンスの演奏は 流麗なるが故にその悲哀は底知れぬのだ。 深き闇をぢっと凝視してしまったのか、 その華麗にして優美なその演奏は 立ち止まる事を恐れる…
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2018年5月2日 1

去来現(こらいげん)

去来現(こらいげん)   過去、未来、現在を意味する去来現といふ言葉が好きだ。 これは仏教用語ではあるが、 単刀直入に去来現と言ひ切るその潔さに感服したのかも知れぬ。 おれの時間に対する考へ方は至極単純で、 現存在のみ現…
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2018年5月2日 0

ぼんやりと頭痛を抱へて

ぼんやりと頭痛を抱へて   ぼんやりと頭痛を抱へて その痺れるやうな痛みに酔ひ痴れて、 極極私的な春の宴を催すのです。 そんな春の宴には頭痛が最も相応しいと思ふのですが、 それと言ふのも春そのものが頭痛の種でしかなく、 …
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2018年5月2日 0

恐怖の春が巡る

恐怖の春が巡る   草木が一斉に芽吹き出す驚異の季節たる春がまた巡ってくる。 かう生命の力強さをこれ見よがしに見せつけられる春がおれは嫌ひだ。 冬の寒さに、唯、忍の字で辛うじて生を繋ぐ冬にこそ生の醍醐味があり、 その生が…
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2018年5月2日 0

太棹の三味線、鳴り響く

太棹の三味線、鳴り響く   べべんべんべんべん べべんべんべんべん   長い時間がありまして、 何もかもがセピア色へと影絵の如く褪色してゐたのでありました。 それでも太棹の三味線が腹を震はすやうに鳴り響き、 太…
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2018年5月2日 0

弾劾せざるを得ぬ吾に対して

弾劾せざるを得ぬ吾に対して   それは哀れみだったのか。 吾を弾劾せざるを得ぬおれは、 吾に対する哀れみを抱いて、 吾を徹底的に、そして執拗に弾劾出来ると言ふのか。 それは偽りの茶番劇でしかないのではないのかと言ふ疑念を…
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2018年5月2日 0

自我の黎明

自我の黎明   一度撲殺した自我ではあったが、 撲殺時にばらばらに飛び散った自我の破片が 粘菌の如く再びくっつき 自我が再生されたのであった。 しかし、その自我は過去のことは全て忘却してゐて、 今が自我の黎明なのだ。 黎…
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2018年5月2日 0

鎮魂の儀

鎮魂の儀   彼の世の罵詈雑言の喧噪の中、 そいつがぽつりと呟いた。 ――僕の死に際して泣いてくれたものは皆無だった。 それが事の全てを物語ってゐてたのかもしれぬ。 そいつの呟きで これまで此の世に対して口汚く罵ってゐた…
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2018年5月2日 0

兆し

兆し   朝日が昇る中、 西の空を見ると白色化した月が茫洋と沈み行く。 唯、それだけだけのことなのに とてももの悲しいのだ。 冷え込んだ真冬の朝のありふれた日常なのに、 ぼんやりともの悲しいのだ。 これは何かの兆しなのか…
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2018年5月2日 0
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