黙考のしじま

思索に耽る苦行の軌跡

何をして

何をして   何をしておれは耳許で囁くものを 一撃必殺で殺してしまったのだらうか。 そいつは影のやうにおれに付き纏ひ、 ――ぷふい。 と嗤ったことがいけなかったのだ。 思はずそいつの胸から漏れ出たその嗤ひ声は、 おれの嫌…
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2018年1月13日 0

正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし

正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし   ぢっと瞑目しながら 一休宗純の正月に杖の頭に髑髏を設(しつら)へて 「ご用心、ご用心」と叫びながら町を練り歩いたその思ひに 共感を覚えて仕方がない私は、 後、何回正…
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2018年1月8日 0

ものの有様

ものの有様   ものと言ふのは存在するだけで既に引力か斥力を発してゐて、そのいづれにも属さぬものは、ものとして認識されることはなく、あってなきが如くに意識の俎上にさへ上らぬ何ものと言ふ疑問符がつくものとして非在するものな…
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2017年12月24日 0

湧出する観念に

湧出する観念に   止めどなく頭蓋内の闇、つまり、五蘊場に湧出する観念に翻弄されつつ、 身動きが取れなくなって 思考のみが右往左往するその哀れな存在は 仕方なく闇雲に観念を喰らふのだが、 観念の毒気に当てられ、意識を失ふ…
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2017年12月17日 0

苦悶する吾はその事に快楽を感じてゐる

苦悶する吾はその事に快楽を感じてゐる   例へば歯痛が快楽と言い放ったドストエフスキイのやうに 苦悶する吾はその事に快楽を感じてゐるものなのだ。 苦悶がそもそも吾の有様に対する憤懣に過ぎぬとして、 ――はっはっはっ。 と…
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2017年11月12日 0

漠然と――ヘーゲルのまやかし

漠然と――ヘーゲルのまやかし   何故にそんなに漠然とした書きぶりなのか。 思考したものの外濠を埋めるやうにして攻め立ててゐるのかも知れぬが、 ヘーゲルの筆の走り具合が途轍もなく曖昧模糊としてゐるのだ。 それで何かを掴ま…
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2017年11月5日 0

野分け

野分け   現在は衛星写真で逐一その渦動する積乱雲群の様が解り、 直撃しても被害は少なくなったとは言へ、 野分け、つまり、颱風は今も畏怖の対象であることに変はりはない。 しかしながら、あの渦巻きは何と美しいのだらう。 渦…
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2017年10月29日 0

そこはかとなく

そこはかとなく   そいつに対してそこはかとなく湧き上がる恐怖心は、 如何ともし難く、 唯唯、おれはそいつに平伏するのみなのだ。 それでゐておれは、面従腹背を地で行くやうに そいつが一瞬でも隙あらば、 そいつの首をかっ斬…
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2017年10月22日 0

深夜の彷徨

深夜の彷徨   今は亡きものの影絵を追ふやうにして 居ても立ってもゐられずに おれは雨降る深夜に外出し、 何処へ行くなど宛などなく、 深夜の彷徨を始めたのであった。 それは、この午前二時過ぎ辺りに 魑魅魍魎共が彼方此方で…
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2017年10月15日 0

十六夜

十六夜   不図、目が覚めると時計は夜中の二時丁度を指してゐた。私は一度目が覚めてしまふと、もう二度寝は出来ないので、真夜中にもかかはらず、珈琲を淹れ、人心地就いたのである。 ――さういへば、今日は十六夜の月ではないか!…
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2017年10月8日 0
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